ゴールドコラム Gold Column
古代アメリカ大陸の
金(ゴールド)と装飾品のお話<その2>
早い時期から黄金文化の発達した南米と比べて、古代の中米や北米では金(ゴールド)に関してどのような歴史があったのでしょうか。
中米、北米の黄金文化
メキシコの黄金文化は、南米よりもだいぶ遅れていました。
それまでに交易品として黄金が入ってくることはあっても、メキシコにおいて本格的な金製品が現れたのは14~15世紀のことであると言われています。
14世紀頃のものと見られるミシュテカ族の王の墓から発見された副葬品の中には、小ぶりながら非常に精巧なつくりの金製品が発見されているそうです。
この後、このミシュテカ族の芸術的な多くの工芸品は15世紀に興ったアステカ人にもたらされ、アステカ王国は多くの黄金製品を所有することになりました。
しかし、侵略してきたスペイン人によって徹底的に略奪されてしまうのでした。
南米といいメキシコといい、スペイン人の侵略によって多くの芸術的な黄金製品が失われてしまったのは非常に残念なことですね。
なお、北米大陸の方には多くの先住民族がいたものの、この頃にはまだ金(ゴールド)の文化はなかったようです。
古代中南米の装飾品とは
中南米の装飾品は、都市国家や時代によって様式などは違うものの、頭飾りや仮面、耳飾り、首飾り、胸飾り、腕輪、足輪など多くの物が存在したようです。
古くから黄金文化の栄えた南米では金(ゴールド)でできたものや細工の施されたものが多く、中米では宝石類や動物素材で作られたものが多いようです。
“装飾品のモチーフは宗教的なものが中心で、神の姿や王族、太陽や雨などの自然現象を描いたものが多い。
メソ・アメリカでは写実的描写であり、中央アンデスのものは高度に抽象化されていた。”
(引用:図解 装飾品 新紀元社)
やはり古代の装飾品は、宗教的なものが多そうですね。
ちなみにこの地域での変わった装飾品としては、「唇飾り」「鼻飾り」といったものもあったようです。
どちらも下唇や鼻に穴をあけて装着するものとのことで…想像するだけでも痛々しいし、いまいち意図がつかめません…。
これも何か宗教的な意味合いがあったのかもしれませんね。
(参照文献:『黄金の世界史』/講談社、『図解 装飾品』/新紀元社)
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