ゴールドコラム Gold Column
金にまつわるお話:
タージマハルより高価なゴールドの玉座
製作費はタージ・マハルの2倍と言われるゴールド(金)製の玉座。
「孔雀の玉座」と呼ばれるその玉座は、あるとき行方不明となり、のちに壊されてしまったと言われています。
孔雀の玉座のはじまりとおわり
その玉座を作らせたのは、タージ・マハルを建設したムガール帝国の皇帝シャー・ジャハーンでした。
質も高く、種類も豊富な宝石を施された玉座のその価値は、現在の10億ドルはくだらないと言われています。
1635年に完成したこの玉座は、100年ほどはムガール帝国が所有していました。
ところがその後ペルシャの王に奪われ、1747年にはその王朝も衰退し、混乱の中で行方不明になってしまったのです。
そして孔雀の玉座は壊され、宝石も外されて、アジアや中東の各地に散っていったとも言われているそうです。
皇帝の威光、絢爛豪華な玉座
ではその孔雀の玉座は、いったいどんなものだったのでしょうか。
“お抱えの最高の職人に作らせた孔雀の玉座には、1トン以上の金と250キロ近い宝石が使われた。
完成した玉座は椅子と言うよりベッドに近い形状で、大きさは1.8×1.2メートル、4本の金の脚に支えられ、12本の柱が床から4.5メートルほどの高さの天蓋を支えていた。
孔雀の玉座という呼び名は、各支柱の上部を飾る2羽のクジャクに由来する。
開かれたクジャクの羽には宝石がちりばめられていた。”
引用:絶対に見られない世界の秘宝99日経ナショナルジオグラフィック社
ゴールド(金)や宝石の重量にも驚きますが、1.8×1.2メートルというとセミダブルベッドくらいの広さですよね。
確かにいわゆる「椅子」のサイズではなさそうです。
天蓋までの高さが4.5メートルもあるというのもすごい大きさですね。
4.5メートルの高さというと…吹き抜けのお部屋の天井くらいでしょうか。
ちょっと想像してみましたが、私だったらそこに座るのも寝るのもくつろぐどころか、全く落ち着かない気がします…。
行方不明になり、壊されたとも言われるこの玉座、実際どれほど煌びやかで美しいものだったか、今ではもう目にすることができないというのは、非常に残念なことですね。
参照文献
『絶対に見られない世界の秘宝99』
日経ナショナルジオグラフィック社
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